2008年1月アーカイブ
日本ではどこでも見られる魚ですが、厳冬の日本海、そして糸魚川の急峻な地形から深海へ流れ込む清らかな水が豊富な餌場を作り出すため、真冬の糸魚川あんこうはことのほか美味!
現在ではちょっと高級魚になってしまいましたが、その「あんこう」を気軽に楽しんでもらおうと「荒波 あんこう祭り」を毎年開催しています。
平成19年までは糸魚川駅前の特設会場で行われていましたが、今年からマリンドリーム能生(1月27日)と道の駅親不知ピアパーク(2月3日)でも開催され、ますますパワーアップしたイベントになっています。
今回は先陣を切って行われた糸魚川会場のイベントに出かけました。
10時スタートだったので、15分前には着いたのですが、あんこう汁の食券販売には既に長蛇の列ができあがっていました。
10時になるとオープニングセレモニーとして、吊されたあんこうをバックに糸魚川市長挨拶、続いて地元翡翠太鼓の皆さんによる威勢の良い演奏がありました。
翡翠太鼓の皆さんの演奏が終わると、軽トラックの荷台に作られた特設ステージにていよいよ吊し切りの実演が始まります。
いつの間にか雪も止み、ステージには丸々と太った大型のあんこうが、下あごをフックに掛けられ吊されています。
あんこうは魚体が大きい上に深海魚のため身が柔らかく、表皮も滑りやすいのでまな板の上での解体は難しいのです。
そのため丈夫な下あごを引っかけて吊し、口から水を注いで重みを付けて裁く手法が考えられたのだそうです。
慣れた手つきで口の周りから包丁を入れるとスルスルと皮が剥がされ、あっという間にオールヌードに。この皮もコラーゲンが豊富で美容効果抜群!。
腹を割ると海のフォアグラとも呼ばれる皆さんの大好物「あんきも」が顔を出します。巨大な「あんきも」に観客からも歓声が上がります。
内臓も外され、ヒレや柳肉も綺麗に外されると本当にフックにかかった口だけになってしまいました。
約1,000人前用意されたというあんこう汁は一杯500円で販売されます。
あんこう汁を販売するブースではてんやわんやの大忙し!バックヤードは息をつく暇もなく、あんこう汁の調理に追われていました。
今年は前日放送された生放送TV番組「旅サラダ」で宣伝された事も手伝ってか、ツアーの観光バス5台を含む多くのお客さんで賑わい、1,000人前のあんこう汁は12時過ぎには売り切れとなる大盛況ぶり。
また、歩行者天国内に設置された「いけす」では活魚のあんこうが泳いでいたり、来年開催される「トキメキ新潟国体」のマスコットキャラクター『トッキッキ』のお二人(二羽?)と「全国豊かな海づくり大会」のマスコット『まもりん』も参加し、旬の味覚に興味なし!の子供たちも大はしゃぎでした。
大盛況の内に幕を閉じた荒波あんこう祭り。また来年も楽しみです!
糸魚川市の無形民俗文化財に指定され、六尺褌の男衆が厄年の方を捕まえ、天井高く胴上げをする勇壮な小正月行事です。
地元氏子の他、多くの見物客がこの稀祭を見に訪れる名物行事となっています。
祭壇周辺には沢山の小銭が散らばり、宮司さんや近くの人がそれを集めて賽銭箱に戻します。
程なく別座敷より「メッケター(見つけたの意)」と叫ぶ二人の男衆に担がれた厄年の男性が登場します。
勢いよく連れてこられた男性は褌姿の男衆によりあっという間に担ぎ上げられ、「サッシャゲー サッシャゲー(差し上げの意か?)」という威勢の良い掛け声と共に大の字のまま堂内を練り歩かれます。
大の字のまま手足の服をつかまれ、音頭取りによって中央で上げられるように位置の調整をし、低い位置に構えられます。
男衆の足下にはうずくまって台になっている方もいました。さあ、いよいよ胴上げです。
天井は放り上げられる場所だけ板の色が違っていて、天井にぶつかるほど高く放り上げられることが伺えます。
放り上げた男性をしっかり受け止めると再度担ぎ上げ、「サッシャゲー サッシャゲー」の掛け声と共に再び堂内を回り始めます。
上記を繰り返し3回放り上げられると厄が落ち、やっと解放された男性は中央で杯に御神酒をいただいて終了となります。
担ぎ手の男衆も御神酒を飲み休みます。先程放り上げられた男性はここで褌姿になり、今度は担ぎ手として加わりました。
厄年の人を見つける度にこの神事が繰り返されます。
最初は寒かった堂内もこの神事の熱気で暖かくなり、褌姿の担ぎ手も皆汗をかいていました。
そしてまた、奥の座敷から大きな声が発せられます。
「メッケター!」
全国的には「どんど焼き」や「とんど焼き」など様々な呼ばれ方がありますが、糸魚川では「賽の神」「鳥追い」などと呼ばれる他、青海地区の「竹のからかい」や能生地区・白山神社の「献灯祭・お筒粥の神事」、藤崎観音堂の「はだか胴上げ祭り」といった独特の行事があります。
今回は1月15日に行われた根知・根小屋地区の賽の神に参加しました。
竹と杉で組まれた櫓に沢山の藁が巻かれていて、下の方には昨年使われた注連縄や御札のほか、だるまなどの縁起物も添えられており、上部に見える竹には書き初めが括られていました。
大きい方の櫓には雪で作られた祭壇があり、清酒が奉納されています。
祭事場まで歩いてくる間に冷えた体をおいしい甘酒で温めさせてもらいました。
次第に人が増えてくると賑やかさが増してきます。点火間近には沢山の人だかりができていました。
午後7時。さぁいよいよ点火です。
乾燥した藁は瞬く間に燃え広がり、あっという間に大きな火柱が立ち上がりました。
それと同時にさっきまでの寒さが嘘のように、ものすごい熱が顔に突き刺さります。
最初の火が落ち着くと奉納された御神酒と塩が配られ、いよいよ大きい櫓に点火となります。
こちらの櫓は本厄と前・後厄の方々により、厄除け祈願がされた後、その方々により櫓に点火されます。
こちらもあっという間に燃えさかり、瞬く間に巨大な火柱となりますが、先程とは比べものにならないくらい熱く、目を開けていられないほどでした。
役目を果たした縁起物のだるまも文字通り"火だるま"となり勢いよく燃え上がります。
炎は一瞬で書き初めを包み込み、すぐに灰となって空に舞い上がりました。
こちらでも沢山のお賽銭が投げ込まれ、祈願成就を祈る姿が見られます。古の人々もこの燃えさかる炎に祈願成就をイメージしていたのではないでしょうか。
江戸の頃から伝承され、国指定の重要無形民俗文化財に指定されている小正月の名物行事 青海の「竹のからかい」
青海駅周辺の地区を西町と東町に分け、双方が奉納する自陣の竹を隈取りをした若衆が合わせ引っ張る行事で、全国に類を見ない稀祭として多くの観客が集まります。
毎年1月15日の小正月に開催され、子供の竹のからかいや餅まき、賽の神が同時に行われます。
この日は前日までの雪も止み、見事な青空の下で威勢良く行われ、多くの見物客や撮影者が訪れていました。
青海の「竹のからかい」は西方と東方に別れ、双方の本陣近くに大きな飾り竹が飾られます。飾り竹には扇子や吹き流しなどが飾られています。
青海神社への参拝を終えた両陣営はそれぞれの本陣にて白塗りの顔に赤・青等の色で隈取りをし、法被・猿股姿に腰に
12時30分、双方の若衆が長さ20mはあろうかという竹を担いで中央に走ってきて竹を地面に立て「チョウチョウ サギノチョウ ナノハニトマレ ナノハニアイタラ ヨシノハニトマレ(蝶々 左義長 菜の葉にとまれ 菜の葉に飽いたら 葦の葉にとまれ)」と唄いながら柏手を叩き、その竹の周りをゆっくり回ります。
まずは西方は海側、東方は山側に立ち、双方の竹の根元の方を頭上でで交差させアーチを作り、そこを一般の見物客が海側から山側へくぐります。くぐった者には今年一年の家内安全や除災といった御利益があるそうです。
見物客がくぐり終えるといよいよ竹のからかいが始まります。
先程と同じように竹の根元を頭上で交差させ、途中を力一杯押さえつけ、弓なりにしならせます。
向かい合った先頭が「いち、にの、さん」のかけ声に合わせ弓なりになった竹が頭上に勢いよく落ちてきます。
落ちてきて二本合わさった竹を脇に抱え込み、綱引きのごとく力一杯引き合います。
竹が抜けると再度頭上に組み合わせ、かけ声に合わせて引き合います。
竹が折れたり割れた場合は負け、引っ張られて引き込まれたら負けという風に勝敗が付けられますが、双方から「勝った勝った!」の勝ち名乗りが聞こえました。
何度かこれを繰り返した後、最初のように竹を立ち上げ唄を歌いながら竹の周りを回り、竹を担いで自陣に引き返します。
この要領で大人の部と子供の部を交互に繰り返し、途中に「福餅まき」を織りまぜながら進行されます。
竹のからかいが終わると両陣営の飾り竹が下ろされ、飾り付けは縁起物として見物客がむしり取って持ち帰ります。
これが終わると両陣営が竹を担いで青海の海岸へ向かい、賽の神が行われます。
それまで使っていた竹や草鞋、注連縄などを役目を終えた各家庭の縁起物や御札などと一緒に燃やし、今年一年の五穀豊穣や家内安全などを祈念し幕を閉じます。
青海の「竹のからかい」は勇壮でいて華のある早春の行事でした。
能生白山神社本殿は国の重要文化財でもあり、毎年4月24日に行われる春季大祭で奉納される舞楽もまた重要無形民俗文化財に指定されているほか、多数の文化財を保有する由緒ある神社です。
この白山神社で毎年1月14日と15日に行われる「献灯祭 お筒粥の神事」をご紹介します。
奉納されるろうそくには地元能生の企業や団体または氏子さんの名が記され、それぞれがこの拝殿に奉納し今年一年の五穀豊穣や商売繁盛、家内安全を祈念し点灯します。
午後6時前の段階ではまだ1本しかろうそくは点灯されていませんでしたが、徐々に増え午後9時頃にはほとんどのろうそくに火が灯されます。
この献灯祭は日をまたいで12時過ぎ頃まで灯され続け、その間に多くの参拝客が入れ替わり訪れ、拝殿に手を合わせてはそろそろと帰って行きます。
今年一年の五穀豊穣を占うもので、石臼でひいた米を葦の茎と一緒に煮て、葦の茎に詰まる米で占います。
長さの違う3本の葦で「早稲」「中稲」「晩稲」に分けられ、それぞれの時期に収穫される米の作況を指しています。
お筒粥の神事は神社が占いの内容を発表するものではなく、参拝に訪れた方々の見た目でそれぞれが判断するものなのだそうです。
さて、今年の作況はどうでしょうか?
