根知山寺の延年 おててこ舞
糸魚川市根知地区の山あいにある山寺集落。
毎年9月1日に日吉神社を舞台に行われる祭礼 『根知山寺の延年』は、国の重要無形民俗文化財にも指定される「おててこ舞」という舞楽が奉納されます。
この「延年」とは、読んで字のごとく長寿を意味し、舞楽や獅子舞などを観ることによって心が和み、結果長寿に繋がるとされています。
舞の起源は定かではありませんが、歌詞の中に室町小唄に観られるような言葉遣いがあることから、およそ四百~五百年前に京都・奈良辺りより伝来されたものであろうといわれています。
前日の夜は『宵宮』が行われ、9曲の舞楽が奉納されます。その後は盆踊りも催され沢山の人で賑わったとのことです。
本祭りは翌日朝から神事が執り行われ、舞人や稚児の支度が行われます。
午後1時。金蔵院(こんぞういん)でお祓いを受け、太鼓と鐘の音を合図に観音堂へ向け行列がスタートします。この時、金蔵院の鳥居の下では稚児2名による『くるいの舞』が舞われます。
一行はおよそ200Mほどを行道し、観音堂にて再びお祓いを受け、静置されている御輿二基を受け取ると、日吉神社に向けて行列が再開されます。(実は担ぎ手が足りないと言うことで、私も担ぎ手として参加させていただきました。)
日吉神社の鳥居下まで到着すると再び稚児2名による『くるいの舞』が奉納され、石段を登り境内に入ります。
境内に入ると御輿2基と舞人・稚児はゆっくりと境内を2周し定位置につきます。稚児が隊列から外れると御輿のお走りがスタート。境内を全速力で2周半し、拝殿に御輿を納めます。
以前は御輿のもみ合いがあったようですが、現在は周回するだけとなっています。
それでも運動不足の私には御輿を担いでの全速力は過酷なものでした。。。
御輿が終わると舞楽の奉納となります。境内には重要文化財を一目見ようと桟敷席や舞台の回りに沢山の観客が集まっていました。
舞楽は重要無形民俗文化財に指定されている『おててこ舞』(指定されているのはこの曲だけとのこと)をはじめとする全11曲が舞われます。
まずは『おててこ舞』を一節舞い、続いて『くるいの舞』が再度舞台で舞われます。
続いて『おててこ舞』の続きが始まります。『おててこ舞』は踊り大将(青年)四人と踊り児(小学四年生くらい)四人からなる風流の小歌踊で六つの踊りから構成されています。
踊り自体は笛と太鼓、歌に合わせて同じ振りを繰り返す単純な踊りですが、扇を閉じたまま舞われるものと、開いて優雅に舞う2種類があります。
また、踊り児の背中には大きな「熨斗」を背負っているのも特徴です。
続いて『鏡の舞』『花の舞』『弓の舞』『鉾の舞』の4曲が稚児によって奉納されます。
糸魚川地域の祭礼には、この稚児の舞が主となっており、天津神社や能生白山神社をはじめとする多くの祭りには必ず稚児舞楽が奉納されます。
それぞれ芸態や拍子には違いがあるものの、同じ流れを汲むものとして考えられています。
夏休みの間練習したのか、しっかりとした踊りに大きな拍手が沸き上がりました。
稚児の舞が終わると『種蒔き』『しめの舞』が奉納されます。
『種蒔き』は面を着けた青年が滑稽な動作で種蒔きを表現し、豊作祈願をするもの。『しめの舞』は種蒔きとは対象に荒々しく舞い、最後は手に持った丸しめ縄を投げつけ退場します。
この後『万才の舞』と『獅子舞』が奉納され、祭りは終了となります。
根知の住民にこよなく愛され、現在も尚継承され続けている延年。この祭りが終わると根知地区には豊かな実りの秋が訪れるのです。
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